アーカイブス資料の古さからすれば相前後しますが、1962年7月の設立時あたりに作られたものと思われる(発効日が書いていないのでハッキリしないが)設立趣意書的な資料が見つかりました。その中から金子正人委員長(当時)の挨拶文と日経連の前田一専務理事や大平正芳外務大臣を始めとする錚錚たる方々からの賛同書をご紹介します。
「国際経済商学学生協会について」 委員長 金子正人
世界経済は、現象的には地域化傾向を伴いつつ、大勢はより高次の自由化を目担して拡大、発展を続けております。貿易の自由化はもはや現実となり、為替、資本、やがては労働移動の自由化にまで向わんとしています。
かかる情勢下にあって、国家の発展を願い、明るい将来を創造する為には、我々若き世代に、国際的感覚、国際的知識、さらに旺盛な国際的行動力が是非とも要求されます。もしこれ等に欠けるならば、一個人として、今後大きな発展は望めないでありましようし、国の将来も世界の発展から大きくとり残されることになります。従つて国際時代に即応した人的資源の開発は、国家が真剣に取り組まねばならないことではありますが、それにもまして、いわば下からの盛り上りとも言うべき国民一人一人の努力が肝要であります。EECの最近のめざましい成果も、国民に広く、EECの必要性が理解されつつあり、ヨーロツパ大での活動が日常のこととなつて、EEC意識が発育してきたことに一面支えられています。新時代に栄えんとするならば、日本においても新時代に対処する為の国民的努力が必要であります。
我々は、現下の各種の困難な世界情勢に耐えて雄々しく飛躍をとげる国際時代の日本建設の青年的盛り上りとして、国際経済商学学生協会(IASEC)を組織致しました。この協会の主な活動は次の通りであります。
イ)国際間の企業への学生交換
ロ)国際学生セミナー
ハ)海外視察旅行
ニ)情報交換
ホ)組織活動(委員会活動、国際集会)
特徴的な点は、従来の学生交換が、主として大学間でおこなわれていたのに対し、我々の計画は企業に入つて実際面の研究を行おうとする点にあります。諸外国の日本とは異なったヒユーマソリレーシヨソを新鮮な感覚で受けとめ、それを持ち帰るならば、日本産業の近代化、能率化及び諸外国理解に必らずや益するでありましよう。又研究の理論と現実の谷間をうめる役割も果すことにもなりましよう。
この活動が、如何に時流を得た適切なものであるかは、既に一九四九年からAIESECの名の下に本部をジュネーブに持ち、ヨーロッパ、アメリカを中心に活躍してきた団体が大発展をとげている事実がよく示してくれています。
AIESECは東欧共産諸国の同様の企業間国際学生交換の試みに対抗して西側に発足したもので、一九六二年には二八ケ国で約三、九〇〇人の学生が交換されました。創立以来では実に、二五、○○○名の多きにのぼつています。我々の活動もこのAIESECのヨーロッパ委員であるトーマス氏から紹介を受けたものであります。
我々は、この種の活動が現在の日本において必要なものであり、将来ますます必要性をましてくること恕確信しております。しかしながらこの活動を発展させる為には、何にもまして企業家の暖い御理解と御援助をいただかねばなりません。企業へのこの活動の利益はこの小冊子後頁に詳述は致しましたもののこの活動によつて直接当面よい思いをするのは学生自身でありましよう。どうかこの活動の意図する国家的大局的長期的見地と、青年の発展意欲を御支持下さいまして、御支援、御指導下さいますようお願い申し上げます。
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賛同書
「国際経済商学学生協会の発展の為に」 日本経営老団体連盟専務理事 前田 一
ヨーロツパ各国で大なる成果を収めているAIESECがこの度日本に紹介され、国際経済商学学生協会(IASEC)として組織されたことを喜び今後の発展に期待する。
国際経済商学学生協会の活動は、日本人学生を外国企業に留学させ、外国人学生を日本企業において研究せしめることがその主なる内容である。この活動は豊かな国際協調と企業家の深い理解なしには為し得ない。
学生を外国企業に派遣し、外国人を企業に招いて企業構成員に直接、接する機会をもうけることは、国際時代を迎える日本産業に広く国際感覚を植えつける点で有益である。当面企業において目にみえた効果は期待できないであろう。しかしながら、日本全体の発展を願う大局的見地から、この活動に精神的、経済的援助を与えられんことを広く企業経営者各位にお願いしたい。こうした大局的見地に立つた努力は、これからの日本の発展の為にかかせない。
最後に青年諸君!若い情熱を建設的方向にかたむけ給え。未知なる潜在力を持つたこの団体に加わつて大いに力を発揮してみよ。美しい協調にこそ明るい明日があるのだ。君達の力が国際的舞台において、輝しく光を発する時に日本の真の充実があるのだ。
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In support of AIESEC
The necessity for developing human resources prepared for and able to bear the burden of the expansion of the world economy and that of the areas of cooperation is felt painfully.
I understand the purposes of AIESEC is to exchange mutually the students of 245 universities and graduate schools of Europe and the United States for studies in the
representative firms of the world, thus to learn economics, commerce and business administration with international perspective and scale from both the theoretical and practical angles.
I am delighted to hear of the formation of the Japanese branch of this organization and heartily hope for its progress. For I strongly feel the significance of as well as the necessity for the students to be equipped with the international sense, knowledge, the ability to act and above all the international courtesy which form the basis for their
future activities.
Masayoshi Ohira
Minister of Foreign Affairs
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文部大臣 荒木 万寿夫
わが国経済の飛躍的発展に伴ない、更には又これが一層の発展を期するために、国際的視野をもつ有能な入材を育成することは今日緊急かつ不可欠のものとなつた。
このたび、アメリカ・ヨーロッパ各国に於てすでに多大の成果を収めているAIESECの組織がアジアにまで拡大され、それに伴なつて設立されたAIESEC-JAPANが発足以来極めて短期間であるにもかかわらずめざましい発展をとげつつあることは、学生諸君に豊かな国際感覚を養う好個の機会を提供するものとして、誠に喜ばしいことである。
私はこういつた意味で、有能な学生諸君がこの協会を通して今日極めて必要とされる国際的視野を獲得し、わが国経済の発展のために、又国際親善を深めるために積極的な役割を果されんことを期待すると共に、当協会の今後の一層の発展に大きな期待を寄せるものである。
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Ichiro Oshikawa
Secretary-General
Asia Productivity Organization
It gives me a great pleasure to note that the 'International Management Trainee Exchange Scheme' on the lines of a similar scheme successfully operating in the Atlantic region under the sponsorship of Association Internationale des Etudiants en Sciences Economiques et Commerciales (AIESEC) is being put into operation by the International Association of Students of Economics and Commerce in Asia which is a counterpart of AIESEC.
Going through the literature on the said scheme I am sure that it will go a long way in helping the Universities and Business in Asia in developing the internationally trained managers for their countries' future requirements in such fields.
I am sure that the organizations and bodies interested in this field would certainly give all possible help and assistance to the International Association of Students of Economics and Commerce in Asia in implementing their said scheme. I wish them all
success.
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「国際経済商学学生協会(AIESEC)がわが国における組織を固めかつ拡げるために」
東京大学経済学部長 木村 重義
AIESECがアジア諸国をも包括しようという状況にあることはまことに喜ばしい。この地域においては、まずわが国における組織が固められ、充分にわが国の経済学・商学の学生を代表するにたりるまでその組織が拡げられることが当面の必要である。これはまず、あくまで学生の自発的努力によらなければならないが、同時に、大学当局の理解と企業経営者の援助とが前提でもある。
この協会がその特徴的な事業の一つとする国際学生交換については、わが国の各企業や団体が他国の学生を受けいれる用意なくしては成りたたない。これは受入者の国際友好・学問尊重の精神に依存するとともに、企業や団体の発展の長期観に沿うものである。学生がわにも、おなじような世界観とヒュマニズムの理想とから、まず同僚と社会とのために精力をささげ、自分もこの活動を通じて生長し、利益を得ていくという心構えで参加されることを期待する。
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「国際経済商学学生協会(IASEC)の活動推進について」
慶應義塾大学経済学部教授 山本 登
すでに1949年以来、ヨーロッパおよびアメリカにおいて活動していたAIESECが、この度わが国にも導入され、比較的短日月の間にその組織化の第一段階を終わったことを心から喜ぶと共に、その将来の発展に大きな期待を寄せている。
今後の日本経済の発展には、世界経済との関連の緊密化が一段と要望されている折柄、有能な学生諸君が、この機に組織を通じて外国企業の一端に触れておくことは本人の将来にとってのみならず、日本企業の近代化にとっても必ずプラスするところがあると確信している。
しかしこうした活動は、一方的では実りの薄いものであり、日本の企業や団体も交換学生を受容れるだけの理解と寛容さを持って欲しいと考える。
要はこの頃云われる産学協同を国際的な場にまで拡大し、相互理解の精神を推進する手段としてのこの組織の活動を望みたい。
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今度、国際経済商学協会が設立せられて、青年を海外に派遣したり、また、海外から青年の来日を世話して、一定期間実務の経験をつませるという仕事をするようになった。
今日のように地球が小さくなった時代には、各国民が相互にりかいしあうことこそ、また外国で貴重な経験をつむことも、世界各国の発展のために重要なことである。
この意味から言って、本協会の趣旨に賛成し、できるだけの協力をおしまないのである。
早稲田大学教授 中島 正信
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国際経済商学学生協会に賛同する
一橋大学助教授 吉野 昌甫
世界的な貿易自由化の風潮、またEECの目覚しい治頭、そして、それをめぐる国際経済の急激な変化を考えると、今日程、わが国にとつて国際的な広い視野からする知識の吸収や国際的協調の必要に迫られている時期はない。その様な組織の欠如は、わが国社会のあらゆる各層にとつて痛感されている。欧州、米国においては、経済や商業を学ぶ学生のための国際的交流の組織であるAIESECが広範にして積極的な活動をしてきた。このAIESECの組織が今回アジア地域に拡大され、東京にそのための中心が置かれるようになつたことは大いに意義あることである。
AIESECが若い経済、商業研究の学生のために海外における企業活動の実体と実務を知る機会を与え、将来の国際協調の基盤を造る非政治的な活動であることを強調したい。わが国の経済界にとつても、また広く経済学や商業学のための大学関係老にとつても、このような活動の機会が、たんにヨーロッパやアメリカに限定されることなく、わが国やアジアの学生に広く与えられることは非常に望ましいことであると確信する。
AIESECのわが国における積極的な活動の端緒が一部の大学の学生によつて熱心に進められている。私はこの活動の意義を信じ、その将来の発展に大きな期待を寄せている。このように有意義な活動は、あくまで学生の自主的な運動によつて推進さるべきものであるが、その発展の途は長く困難であることを思うと、財界および学界の各種の援助と助言がなによりも望まれる。そして事実、その様な援助や助言なしには、折角の希望の芽も枯れてしまうだろう。
AIESECのアジア地域やわが国における活動計画に賛意を持ち、その発展を心から願うものの一入として、是非若い学生諸君のこの有意義な活動に温く積極的な協力が広く与えられることを切望したい。